シリカレスF 応急措置

シリカレスFが皮膚・眼に付着した、吸い込んだ、飲み込んだ場合の対応をまとめています。

付いてしまったら、まずこれだけ

  1. 直ちに大量の流水で15分以上洗い流してください。
  2. 洗いながら、汚染された衣類・手袋・靴を脱いでください。
  3. 痛みや異常がなくても、必ず医師の診察を受けてください。

本剤に含まれるフッ化物による薬傷は、付着直後に自覚症状が乏しくても、数時間後に激痛や深部組織の損傷を生じることがあります。「痛くないから大丈夫」と判断しないでください。

次のいずれかに当てはまる場合は、洗浄を続けながら救急要請してください

他社のフッ化物系ウロコ取り・スケール除去剤で被災された方へ

上記の応急措置に準じて対応してください。フッ化物による薬傷の性質は、製品によらず共通です。「痛みが弱いから軽症」という判断が危険な点も同じです。

ただし製品ごとに含まれるフッ化物の種類と濃度が異なります。受診の際は、その製品の成分表示とSDS(安全データシート)を必ず医療機関にお示しください。

症状別の対応

皮膚に付着した場合

  1. 直ちに大量の流水で15分以上洗浄してください。
  2. 汚染された衣服・手袋・靴などを速やかに脱いでください。洗浄を止めずに行ってください。
  3. グルコン酸カルシウムゲルが入手可能な場合は、洗浄後に患部へ塗布してください。
  4. 症状の有無にかかわらず、医師の診察を受けてください。
特に注意していただきたい点 爪の周囲や爪の下に入り込んだ場合、低い濃度でも激しい痛みを引き起こすことがあります。指先に付着した場合は、爪の周囲を意識して念入りに洗い流してください。

眼に入った場合

  1. 直ちに大量の流水で15分以上洗浄してください。まぶたを指で開いて、眼球全体に水が行き渡るようにしてください。
  2. コンタクトレンズを容易に外せる場合は外し、洗浄を続けてください。無理に外そうとして洗浄を中断しないでください。
  3. 洗浄を続けながら、直ちに救急要請または眼科を受診してください。

眼に入った場合は、症状の程度にかかわらず必ず受診してください。

吸い込んだ場合

  1. 直ちにうがいをしてください。
  2. 空気の新鮮な場所に移動し、楽な姿勢で休んでください。
  3. 症状が続く場合は医師に連絡してください。
数時間後に症状が出ることがあります 吸入後、時間が経ってから症状が現れる場合があります。症状の有無にかかわらず、医師の診察を受けることをおすすめします。

飲み込んだ場合

  1. 水で口の中をよく洗浄してください。
  2. 無理に吐かせないでください。
  3. 直ちに救急要請するか、医師の診察を受けてください。

吐かせると、食道や気道をもう一度傷めるおそれがあります。

衣類・靴に付着した場合

  1. 速やかに脱いでください。皮膚に触れないよう注意してください。
  2. 付着した衣類は、再使用する場合は大量の水ですすぎ洗いをしてください。
  3. 他の衣類と一緒に洗濯機で洗わないでください。

応急処置を行う方へ

  1. 救助者自身が薬剤に触れないよう、保護手袋などの保護具を着用してください。
  2. 素手で汚染された衣類や皮膚に触れると、二次的な被害が生じます。

なぜ「痛くなくても受診」なのか

一般的な酸による薬傷は、付着した瞬間に強い痛みを感じます。痛みが警告として働くので、すぐに気づいて洗い流すことができます。

フッ化物による薬傷は、この警告が遅れます。

フッ化物イオンは分子が小さく、皮膚の表面(角質層)をあまり刺激せずに通り抜けてしまいます。そのため付着した直後は痛みが弱く、「少し付いただけ」と感じられることがあります。

しかし体内に入ったフッ化物イオンは、組織の中のカルシウムやマグネシウムと結びつきます。これが進むと、数時間経ってから激しい痛みや深部組織の損傷として現れます。表面は軽く見えても、内側で進行していることがあります。

だからこそ、シリカレスFでは「症状の有無にかかわらず洗浄と受診」をお願いしています。大げさに感じられるかもしれませんが、この薬剤の性質上、必要な手順です。

これはシリカレスFに限った話ではありません

ここまで説明した性質は、シリカレスF固有のものではなく、フッ化物イオンそのものの性質です。したがって、フッ化物を含むウロコ取り・スケール除去剤であれば、他社製品であっても応急措置の考え方は同じです。

市販されているこの種の製品には、フッ化水素酸(フッ酸)や二フッ化アンモニウムをそのまま配合したものもあります。これらは本剤よりフッ化物の濃度が高い場合があり、薬傷がより重篤になる可能性があります。毒物及び劇物取締法上の劇物に該当する製品もあり、その場合は本剤以上に慎重な取扱いが必要です。

製品によって含まれるフッ化物の種類も濃度も異なりますので、お使いの製品のSDS(安全データシート)を必ずご確認ください。受診の際は、その製品の成分表示とSDSを医療機関にお示しください。

フッ化物系の製品をお使いになる方には、メーカーを問わず、この情報が届くことを願っています。

医療機関を受診される方へ

受診の際は、このページまたは安全データシート(SDS)を医療機関にお見せください。製品の組成と、フッ化物を含むことをお伝えいただくと、診療の判断に役立ちます。

他社製品をお使いの場合は、下の情報ではなくその製品の成分表示とSDSをご提示ください。ただし「フッ化物を含む酸性製剤による化学熱傷であり、遅発性の経過をとりうる」という点は共通してお伝えいただく価値があります。

医療従事者の方へ — 製品情報

製品名シリカレスF(自動車ボディ塗装面用シリカスケール除去剤)
製造販売元有限会社プロケミ(岐阜県美濃加茂市御門町1-2-28)
性状無色透明の液体/pH 1〜2(強酸性)/不燃性
組成 酸性フッ化カリウム 4.8〜5.2%
硝酸 8.3〜8.7%
グリコール酸 1.8〜2.1%
グリセリン 約4.9%
界面活性剤(ラウリルベタイン)約0.25%
残部 水
GHS分類(抜粋) 皮膚腐食性 区分1/眼に対する重篤な損傷性 区分1
急性毒性(吸入:蒸気)区分3/急性毒性(経口)区分4
特定標的臓器毒性(単回)区分2(呼吸器、心臓)
特記事項 フッ化物を含有します。フッ化物による薬傷は遅発性を示すことがあり、付着直後に自覚症状が乏しくても、数時間後に激痛および深部組織の損傷を生じる場合があります。
法規制毒物及び劇物取締法:非該当/消防法:非該当

詳細は安全データシート(整理番号 63436/作成日 2026年9月1日)をご確認ください。

安全データシート(SDS)を開く(PDF)

判断に迷うとき

公益財団法人 日本中毒情報センターの「中毒110番」で、一般の方が無料で相談できます(365日24時間対応)。

大阪中毒110番
072-727-2499
つくば中毒110番
029-852-9999

相談の際は「シリカレスF」という製品名と、フッ化物(酸性フッ化カリウム 約5%)と硝酸(約8.5%)を含む酸性の洗浄剤であることをお伝えください。

次に使うときのために

シリカレスFは、正しい手順で使えば安全に扱える製品です。事故の多くは、次のいずれかで起きます。

施工は30cm四方ずつ、15〜30秒(60秒を超えない)。区画ごとにすぐ水で流す。これが守られていれば、皮膚に付着するリスクは大きく下がります。

詳しくは施工マニュアルをご確認ください。

「安全な薬品はない。安全な使い方があるだけだ。」
これが、私たちがシリカレスFに保護手袋と施工マニュアルを同梱している理由です。

有限会社プロケミ 技術部
TEL 0574-23-2077/FAX 0574-23-2078
〒505-0024 岐阜県美濃加茂市御門町1-2-28

最終更新:2026年9月4日